すっかり滞っておりましたが、超久々の公演案内です。
今月に入ってから、まるで梅雨に逆戻りの様な気候が続いておりますが、お変わりなくお過ごしでしょうか?
私は、いよいよ能繁期に突入という感じですが、お陰様で元気に過ごしております。
さて本日は久しぶりの公演案内、11月3日(祝)千駄ヶ谷の国立能楽堂にて催す花影会のご案内です。
折しも文化の日、我が国が世界に誇る伝統的な芸能「能楽」に、是非お運びください。
☆花影会(かえいかい)
~明治時代の新曲、武士の魂・楠木正成「櫻井の別れ」~
○11/3(祝・木)12:30開演 (12:30~解説・13:00~演能)
○於:国立能楽堂 渋谷区千駄ヶ谷4-18-1
○内容
お話 清水義也
能 「楠露」武田志房 武田文志 武田章志 佐川勝貴
狂言「千鳥」野村萬斎
仕舞 5番
能 「山姥」武田友志 坂井音隆 御厨誠吾
○チケット代金
S指定席 15000円
A指定席 12000円
B指定席 9000円
C自由席 6000円
学生自由席 3000円
※団体割引:15名様以上(ご相談下さい)
◇「花影会」のコンセプト
現代における能楽の催しの大半は「主催する能楽師自身の向上の為」というテーマが内包されているものです。
またお客様に目を向けますと、初心者から愛好者まで、とても幅広い層の方々がお越し下さります。
そんな中「花影会」では、出来る限りお越し下さった全てのお客様にお楽しみ頂ける様にという想いを込めて、番組編成から当日のサービスまでを徹底して考え、企画致しております。
具体的には「テーマを持たせた選曲」「当日演能前の解説」「当日の資料配布」を致しております。
1、今回の冒頭のお話は、同世代能楽師の中でも取り分け博識で、かつ能を愛し、楽しく優しいお話をして下さる清水義也氏にお願い致しました。
2、ご入場の折に、武田家の通例ともなっております、「舞台展開・解説」(謂わば紙面版イヤホンガイドの様な物)を配布予定です。
3、また番組面では、ご覧の様なサブタイトルを付け、明治時代に作られた現在物と、室町の時代に作られた夢幻能という全く趣が異なる演目を上演致します。
◇各曲の口上(みどころ・ポイント)
今回上演する能「楠露」は、23世観世宗家清廉師が作曲されたと伝えられている明治時代の新曲です。楠木正成親子・主従を描いた現在物で、哀れ且つ勇ましい「櫻井の別れ」は、武士道精神のお手本の様な忠義心を描いており、戦前までは学校の教科書にも必ず載っていたそうです。現代の価値観とは些かの隔たりもあり、上演機会も誠に少ない稀曲ですが、むしろ今この様な時代だからこそ、考えさせられる何かがあるのではないでしょうか?
私の勤める正成(まさしげ)役は、能においてはツレ(準主役)という位置づけですが、全体の役謡の大部分を正成が謡い、一曲の流れも正成を中心に進みます。実の父・志房が私の家臣役という意味では、実はこれまでに仲光や木曽等でも同様の関係で共演していますが、個人的には今回の正成役の重さはちょっと別格だと捉えております。それは、親子の様な年頃で演じる場合、親が正成役、息子が家臣の満一役を演じる事が多いからです。但し子方(子役)の正行(まさつら)役は、兄の息子・章志が勤めますので、その関係はむしろ自然かも知れません。いずれにしても、一曲を支える貫禄や存在感と、時としてはシテを引き立てる様な軽みも必要とも思われ、元々こういう芝居掛った演目は大好きなので、父や甥との共演を、今からとても楽しみにしています。
もう一番の能は、人気の名作「山姥」を兄・友志が勤めます。文明の利器を使わずに作り出す能楽の真骨頂とも言える、荘厳・重厚な世界。全演者から発される生命の息吹・鼓動・エネルギー、元来人間が持ち合わせている力強い生命力を感じて頂ける事でしょう。地謡は現代の能楽界を代表する謡い手の浅見真州氏と浅井文義氏に願い、私はこちらも三番手で謡わせて頂きます。
そして冒頭の明快な解説に導かれ、人気役者・野村萬斎氏の狂言「千鳥」、私共兄弟の同世代の中から気鋭の役者5名の仕舞も、必ずやお楽しみ頂ける事でしょう。
誠に手前味噌ながら、いずれ劣らぬ見どころ満載の番組、「文化の日」に是非能楽堂へお運び下さい!!
お申込み・お問い合わせ
花影会事務局
070-5466-2699
(火曜~土曜 10時~17時受付)
チケットは、私へ直接FBメッセージ・メール等にても承らせて頂きます。
皆様よりのご連絡をお待ち申し上げております。
武田文志
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